ラブファントム

若くて、少々オクテ娘の平沢百々子 (小西桜子) は、どこにでもいる同年代の若い女性と何ら変わらない女性だ。高級ホテルのテナントカフェで働く真面目なスタッフである百々子は、日中は他の人たちのために尽くし、夜は自宅で一人過ごしている。恋愛経験値ゼロで、恋人ができる見通しゼロの百々子は、誰もが決まって口にする「特別な相手」など、そもそも自分には見つからないのではないかと思っている。こんな希望を諦めそうになった時、このホテルの空中展望台で、見知らぬハンサムな男性と情熱的な出会いをしたことで、あらゆることが変化する。 この情熱的な瞬間を忘れることができず、百々子はこの不思議な行きずりの男性の身元を明らかにしようと決意する。職場でその男性を見つけ、その男性がこのホテルのエリートスタッフの1人、長谷慧(桐山漣)に他ならないことを百々子が知るのに、それほど時間は掛からない。慧が自分の住む世界からは、はるかにかけ離れた存在だと百々子は確信して、慧を忘れようとするが、あの運命的な夜に、二人が交わしたキスを思い出せば、慧を忘れることなどできない。慧に接近し、百々子は自分が抱えている数えきれないほどの疑問に対して、何らかの答えを見出そうとするが、百々子のするあらゆる試みは、冷淡な無関心を持って迎えられてしまう。 やきもきして心を掻き乱す百々子は、もう慧と離れようとするが、百々子が懸命にそうすればそうするだけ、運命はこの2人を結び付けていくようだ。時が経過すれば、百々子が慧の冷たい外見の中にある本心を引き出すことができるのだろうか、それとも、この2人の空中展望台でのキスは、永遠に百々子を捕らえて離さない幻想となるのだろうか。 みつきかこの漫画、『ラブファントム』をドラマ化した『ラブファントム（Love is Phantom）』は、御法川修が2021年に監督したロマンティックドラマだ。